漁業管理学研究室の卒論テーマ 2019
鹿児島県甑島におけるキビナゴの漁業管理について
久保田翔太
甑島産のキビナゴは日本における生産量のおよそ 20%、約 500t を占めており甑島の漁 業において重要な魚種となっている。甑島において平成 8 年には 1000t 近くのキビナゴの 漁獲量を誇っていたが近年、漁獲量が 500t を下回る事がある。この漁獲量の減少によって 漁業経営に対する影響があるのか明らかにする。またキビナゴの漁獲量が減少傾向にある が、その要因が資源的要因なのか、他に要因がないのか明らかにしていきたい。
⿅児島県野間池地区における定置網経営の実態-宿泊業等との兼業経営体を事例に-
谷川 遼
高齢化及び人口減少に伴い、漁村における労働力の減少と後継ぎの不足が顕著となって いる。また調査地は本土の僻地に存在し、島嶼部ほどではないが出荷が困難な状況に陥る 可能性が高い。加えて、高齢化による輸送能力の低下(トラックが運転できず、近場の小 規模市場にしか出荷できない)が結果的に魚価の伸び悩みに繋がる。この問題意識を基に、 野間池地区における定置網経営の実態を明らかにし、兼業化することのメリットデメリッ トを明らかにする。
⿅児島県南薩地区におけるヒゲナガエビ漁の漁業参⼊と経営の⼯夫
中園 昴秀
近年我が国では漁業就業者数が減少している。また、新規漁業就業者数の推移は近年横ば いであるが、漁業就業者数の 15,3 万人と比べると少ない数値となっている。さらに平成 30 年度漁業経営調査によると平成 30 年度の平均漁労所得は 249 万円であり決して多いと は言えない。その中で元々漁業を行っていた人が新たな許可漁業に参入する際にはどのよ うな問題があるのか、またどのような経営の工夫を行っているか明らかにする
⿅児島県野間池地区におけるウミガメ保護の歴史
鈴木涼良
近年では、環境保護を意識した漁業者主体の取り組みが全国で行われている。例えば、豊
かな海を残していくために漁師がサンゴ礁を保護する取り組みがある。一方で、漁師にとっ
て邪魔者になるウミガメやサメなどの保護は進んでいないように思う。しかし、鹿児島県野
間池では、漁師 M が定置網にかかるウミガメの保護活動を日本ウミガメ協議会との協働で
行っている。
ビジネス目的ではなくボランティアでウミガメの保護を行う M は、なぜ混獲調査を行い、
その調査はどのように役立っているかを本研究では明らかにしたい。